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連載インタビューvol.8
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堀池 薫子(ほりいけ かおるこ)Xリーグ、ハスキーズのキャプテンを務めるとともにオールスターチームのVENUSの一員としても活動。その後は渡米しNFLチアとしても活躍。華々しいステップを踏んできた彼女だが、「正直言えば、いまも自分に対して、そこまで自信は持ててはいません」と答えた。しかし彼女には、人一倍強い使命感と、誰にも負けない強い信念があった。
 
「思いが伝わる瞬間」の充実感
 
Q.チアとの出会いは?

A.高校時代です。野球を観る事が好きだったので、最初は、野球部のマネージャーになろうと考えていました。そんな時、先輩から「だったら野球を応援できるチアリーダーをやってみたら?」と誘われて「なるほど」と思い、入部したのがきっかけでした。

Q.それまでスポーツ経験はありましたか?

A.ほとんどありませんでした。そして、実際に入部してみたら、非常にレベルの高いチームで圧倒されました。3年間、「朝練、昼練、夜練で週7回」みたいなペースでしたね。しかも進学校だったので、勉強との両立も大変でしたが、どうにか乗り切ることが出来ました。

Q.当時は、チアのどんな所に魅力を感じていましたか?

A.目標設定が出来ることですね。個人の目標設定ではなく、チームとしての目標設定出来るのが魅力でした。チームメイトは、ライバルではあるけれど、蹴落とすのではなく切磋琢磨出来る仲間。一丸となって目標に向かうので友情が深まる。その充実感ですね。
あとは、お客さんに見ていただいて楽しんでもらえていることがその場で感じられることです。自分たちの応援が、チームや観客に伝わったと実感できる瞬間がある。その充実感は何ともいえないものがありました。
 
「マイナス思考」からの脱却
 
Q.元々、活発な性格だったんですか?

A.いえいえ(笑)。いまでこそ単身で渡米したり自分でレッスンを開いたり、という感じですけれど、高校・大学時代は大人しく黙っているタイプで、自分に自信も持てずにいました。チア活動をしている間だけは元気いっぱいだけど、実際はコンプレックスの塊、といった感じでしたね。

Q.例えばどんなふうに、ですか?

A.自分自身を下げてみてしまったり・・・。わたし、結構マイナス思考だったんです。「どうせ無理」とか「わたしなんて駄目だ」とか。失敗すると「やっぱり駄目だったか」でしたし。あと、自分よりも「凄いな」と思える人と出会うと必要以上におろおろしてしまったり。そういう気持ちが表情に明らかに出てしまうようなタイプでした。
 
「VENUS合格」が教えてくれたこと
 
Q. そこから脱却できたきっかけは何だったんですか?

A. Xリーグのチアリーダーになって2年目に、VENUSのオーディションに合格したんです。それ以降ですかね。「わたしはわたしらしく」と、ようやく、少しずつ思えるようになり始めたのは。

Q. VENUSに挑戦しようと思ったきっかけは何だったんですか?

A. 当時、わたしの所属していたハスキーズが2部に降格してしまい、その時、チームメイトやまわりのモチベーションが下がったのを感じたんです。で、「もし私がチアのオールスターであるVENUSに入ることが出来たら、他のチームと交流の場が持てる。それをチームに還元してモチベーションを上げたい」と考えました。もちろん私自身のための挑戦ではありましたけれど、チームをどうボトムアップしていこうか、という思いも大きかったですね。2部であっても、チアとしての気持ちは変わらない。「2部だからこそ伝えられる部分もあるかな」と。
合格して実際に活動を始めてからも、ずっとそういう信念みたいなものはありました。
 
「自信」より「信念」
 
Q. 自分に自信が持てた事も大きい。

A. うーん。それは少し違うかなと思います。いまでも、「自分に自信はあるか?」と聞かれれば、はっきりと「あります」とは答えられないですし。でも信念はすごく強い。
これは、あくまで私個人の考え方ですが、自信を持つことはすごく大切。でも、自信を持ちすぎてしまうと、成長が止まってしまう。そして自信というのは、自分より明らかに技術が優れている相手が現れたら簡単に折られてしまう。VENUSでも、NFLでも、毎年オーディションがあり、毎年何百人もの技術のあるチアリーダーがそのスポットを狙っています。「わたしはこう生きたい」とか、「こう信じている」「この為にオーディションを受けている」という信念は、自信とは違って、そう簡単に失われるものではないですよね。信念が前に進む原動力となっています。
当時の私で言えば、「VENUSに合格して、チームのモチベーションを上げたい、経験を伝えたい」という強い信念があった。強い信念があったからこそ、合格する事も出来たと思いますし、その後の厳しい練習にも耐えることが出来たように思います。実際、練習の帰りは、レベルの高さについていくのがやっとで、悔しさもあって、いつも泣いていました。でも諦めようと思ったりしなかったのは、「わたしは、ハスキーズのみんなの思いも背負っている。チームのモチベーションを上げていく使命があるんだ」という強い気持ちがあったからだと思っています。
   

(取材・文/会津泰成)
 
(2回目に続く)

堀池 薫子(ほりいけ かおるこ)
6月3日生。香川県出身。神奈川県立厚木高校ダンスドリル部でチアダンスを始め、大学時代は立教大学体育会応援団チアリーディング部と厚木高校OGチアダンスチーム「クラッカージャック」で活動。大学卒業後はOLをしながらXリーグ クラブハスキーズに5年間所属。2003~2005年XリーグオールスターチアリーダーVENUS選出。2007年単身渡米して日本人として初めてNFLデンバーブロンコスチアリーダーに合格。3年連続メンバーとして活動後、帰国。現在は子どもから大人まで幅広く指導している。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kaocheersbroncos/
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