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チアリーディングは、子供から大人までそれぞれの年代で楽しみながらできて、様々な効果が得られるスポーツです。単にダンスを踊るだけではなく、頑張っている選手やチームの応援を通して“一体感や感動を共有する”といったスポーツの新たな楽しみを知ることもできます...
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PEPsチアリーダーズ
連載インタビューvol.15
 
3月11日に起きた東日本大震災は死者・行方不明者2万人以上を出し、日本に戦後最大の危機をもたらしている。東北地方を中心に避難所生活を続ける大勢の人たちばかりか、大小の差こそあれ、いま日本の誰もが出口の見えないトンネルのなかで、明日の生活に不安を覚えている。

「あの日から変わった事は?」

3月22日、PEPsチアリーダーズでは、震災から10日が過ぎたこの日から吉祥寺のスタジオでレッスンが再開された。レッスン前、インストラクターの福田は子供たちにそう問いかけた。

「普段、『チアスピリット』を大切にしているけれど、それについて、今回の震災を受けてどう考える?」

夜7時半からのユース(中高生)クラスのレッスン参加者は、9名中わずか3名と大半が欠席した。東京でも余震が続き、節電や列車の運休など、震災の被害は日常でリアルに感じた。
普段のレッスン前とは明らかに違う雰囲気。福田もメンバーも黙ったまま、しかし正面を見据えたまま考え続けた。

いまチアリーダーであるわたしたちができることは何かと――。

3人は、十代なりに真剣に考え、答えを出そうと努力した。

「悲しみは別にして、わたしたちまで落ち込んでばかりいては駄目」
「落ち着いて出来る事からひとつずつ始めれば良いのでは」
「東京にいたままでも協力できる事はある」

いま大切なのは「考える」こと。正解はひとつではないし、正解と思ってしてみた事がマイナスになることもあるかもしれない。それでも前に進むためには、考えるしかない。もちろんチアリーダーであるか否かに関係なく、誰もがすべきことでもあるが、こういう時こそ自分が頑張ってきた事を通して伝えられる何かがあるはずだと。

今回のDazzling Styleでは、インタビュー連載で登場した先生方に協力いただいて、「チアとして、いまわたしたちが出来る事」をテーマに子供たちの「声」を集めた。
漠然としていても構わない。まだよくわからなくても構わない。でも考える。少しでも明るい未来を手繰り寄せるにはどうすれば良いのか、を。チアとして、そして日本という国に暮らす仲間として……。
 
 
節電、節水!(小1~高1まで多数)
節電や節水を自分がするだけでなくみんなでできるように、周りに呼びかける。(中2/町田市)
節電をして無駄な電気を使わないように心掛ける。(小2ほか多数/港区)
使わない電気はすぐに消す。(小2/世田谷区、小3ほか/横浜市)
本を読まないときは勉強机の電気は消す。(小3/中野区)
明るい内は電気をつけないなど工夫をする。(小6/三鷹市)
夜はなるべく早く寝て電気を無駄にしない。(小5/練馬区)
TVをあまり見ないようにする。(小1/横浜市)
ニュース以外のテレビを見る時間を決める。(小5/調布市)
テレビがニュースばっかりでポケモンやっていなくても文句を言わない。(小2/渋谷区)
ここの電気も半分でいい。(といってレッスンスタジオの電気を消させられました。)(小2/中野区)
家族が一つの部屋に集まって電気と暖房を節約する。(小5/渋谷区、中1/品川区)
停電中は家族で集まり懐中電灯の電池を節約する。(小3/小平市)
電化製品は使わない時はコンセントを抜く。(小4/横浜市、小5/川口市)
暖房をつけないようにする。(小2&3/小金井市)
暖房をつけないで服をたくさん着る。(小3/蔵野市、小5/品川区)
ゲームをやるのを我慢する。(小5/川口市)
水を大切に使う。(小1/横浜市)
シャワーはお湯をたくさん使うから、お湯をためてお風呂にする。(小3/川口市)
お風呂を沸きなおさないように家族続けて入る。(小5/川口市)
車に乗らない。(ガソリンを大事にする。)(小3/横浜市)
自転車でいける場所以外は、なるべく行かない。(小6/杉並区)
学校の募金箱に募金する。(小1/八王子市)
おこづかいやお年玉から募金する。(小3/武蔵野市、小5/世田谷区)
募金を1円でも入れる。(小4/川口市)
食べ物があることに感謝してご飯を残さず食べる。(小2/川口市)
必要のないものは買わない。(小3/川口市、小4/小金井市)
買いだめ・買い占めはしない。(小5/渋谷区、高1/武蔵野市)
いざというときすぐに被災地に物を送れるように日頃から物を大切に使う。(小2/川口市)
いつも笑顔で過ごす。みんなにSmileをふりまく。(中1/三鷹市、高1/武蔵野市)
まわりの人に明るい笑顔で毎日ご挨拶をする。(小3/小金井市)
出来ることは何でもやる。毎日ごあいさつをする。(小3/調布市)
思いやりを心がけて毎日を過ごす。(小4/調布市)
東京でもできることをする。(小3/三鷹市)
自分にできることを考える。(小6/小金井市)
 
 
 
思う事はいろいろ。しかしどれも子供たちが自分たちの頭で真剣に考えた「本当に、実際に、出来ること」だ。
近くて遠い被災地。未だ多くの人々が過酷な環境での生活を強いられている一方で、避難者として別地への移転を余儀なくされている人々も多い。他人事ではなく、同じ日本に暮らすファミリー、仲間として、いま自分に出来る事をこれからも探していこう。こんな苦しい状況だからこそ、チアリーダーの明るさを忘れず存分に生かしながら……。
 

(取材・文/会津泰成)

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